評価制度の誤解 ― 制度がなくても納得感はつくれる

今日は「評価制度」について深掘りしていきましょう。
多くの中小企業の経営者から聞く声に、

評価制度を導入していないから社員が不満を持つのではないか

制度を作る予算も時間もないので、やっぱり離職につながるのではないか
といった不安があります。
確かに「評価制度が整っている会社=立派な会社」と見られがちですが、実際には 制度そのものが“社員の納得感”を
生み出しているわけではありません。
むしろ「制度を形だけ作ったけれど、運用が追いつかず、かえって不満が増えた」というケースをよく目にします。
\評価制度の整備が含まれる/
中小企業に必要な人事改革
本当に大切なのは「説明責任」

社員にとって大切なのは、「自分がどう評価されているのか」を知ることです。
昇給や昇格の結果そのものよりも、「なぜそうなったのか」という説明があるかどうかで納得感が決まります。
例えば、同じ昇給「5,000円」でも、「頑張ったから上げておいたよ」では不満が残り、「昨年より売上が20%上がった。その成果が大きいので昇給した」という説明があれば、納得して受け入れやすくなります。
逆に昇給できない場合でも、「利益が伸び悩んでおり、今期は全社員昇給なし。
ただし来期は利益率を改善して、昇給につなげたい」と誠実に伝えることで、社員は「仕方ない」と理解します。
説明責任を果たさずに「制度がないから社員が不満」と考えてしまうのは大きな誤解なのです。
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中小企業に必要な人事改革
湘南経営パートナーズのお客様事例(中小企業)
ある製造業の中小企業では、評価制度を導入する余裕がありませんでした。
しかし社長は、毎年全社員と30分ずつ面談し、給与や昇給について一人ひとりに説明しました。
結果はどうだったか?
「自分の評価がどうなっているか分からない不安」がなくなり、「社長がきちんと見てくれている」という信頼が生まれ、離職率が大きく改善したのです。
ここで行ったのは立派な評価制度の導入ではなく、「言葉による納得感の提供」 にすぎません。
しかし、それだけで大きな成果が出ました。
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中小企業に必要な人事改革
制度よりも「透明性」

大企業のように細かい等級制度やコンピテンシー評価を導入することは、中小企業にはハードルが高いものです。
むしろ無理に制度を整えることで、評価シートが形骸化し「書くだけで終わり」「実態と合わない」という弊害も生じます。
そこで大切なのは “透明性” です。
昇給の基準は何か?
どのような行動や成果を重視しているのか?
どうすれば昇格できるのか?
これらを「言葉」で伝えることが、社員にとっての評価制度そのものになります。
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中小企業に必要な人事改革
実務でできる工夫(小さく始める)

評価制度をゼロから作るのではなく、まずは小さな仕組みから始められます。
年に1回、社長が全社員と15分面談する
昇給・昇格がある場合は理由を一言でも伝える
「次に期待すること」を必ずセットで伝える
この3つをやるだけで、「納得感」が生まれ、不満や不信感は激減します。
評価に「フィードバック」が加わると、社員は未来志向になり、やる気を持続できます。
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中小企業に必要な人事改革
評価は「文化」

最後に大事な視点をお伝えします。
評価制度とは本来「仕組み」ではなく「文化」なのです。
日々の小さな承認(ありがとう)
ミスをした時の建設的なフィードバック
年に数回の面談で未来への期待を伝える
これらを積み重ねることが、社員にとっての「評価」になります。
評価シートや等級制度がなくても、文化としての評価を育てることは十分可能
です。
そしてこの文化があれば、社員は安心して働き続けられます。
以下に今回のコラムのポイントをまとめました。
評価制度がなくても「説明責任」を果たせば納得感は生まれる
制度よりも「透明性」を重視する
評価は仕組みではなく「文化」として育てることができる
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中小企業に必要な人事改革
石井 隆介のセミナー実績

私は、年間50回以上のセミナー・研修登壇(掲載媒体数 5誌以上受講者数 300名超)を通じて、「信頼される管理職を育てたい」と願う多くの経営者・管理職の皆様を支援してきました。
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【保有資格】社会保険労務士 登録番号:第14170086号
