助成金不支給企業の特徴と対策

労働関連帳簿(出・賃・就・契)の未整備

助成金申請において、最も多く、かつ致命的な不支給理由となるのが「法定帳簿・書類」の未整備です。助成金は国からの公的な資金援助であり、

受給するためには「労働基準法をはじめとする労働法令を遵守していること」が絶対条件となります。

具体的には、以下の4つの書類(出勤簿、賃金台帳、就業規則、労働契約書)が正しく連動し、実態が伴っている必要があります。

重要書類チェックされる主なポイント
出勤簿(タイムカード)日々の始業・終業時刻が1分単位で正確に記録されているか。
賃金台帳残業代が法定通り(割増率など)正しく計算・支給されているか。
就業規則法改正に対応しているか。従業員10人以上の企業は労働基準監督署へ届け出ているか。
労働契約書(労働条件通知書)雇用時に書面で交付し、労働条件を明確に示しているか。

労働基準監督署の調査と同様、助成金の審査でも「残業代の未払い(サービス残業)」や「休日の不整合」が1箇所でも発覚すれば、

その時点で不支給となります。まずはこれらの基礎労務を完璧に整えることが、助成金活用の第一歩です。

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本末転倒な「助成金ファースト」の弊害

「もらえるものはもらっておこう」という意識が強すぎ、助成金を受け取ること自体が目的になっている企業も受給に失敗しやすい特徴があります。

助成金は、国が推奨する「働き方改革」や「雇用維持」などの政策に協力した企業へ、後から支払われる「実費への補助」です。そのため、自社の経営ビジョンや人材戦略を無視して

「お金がもらえるから」と無理に新しい制度を導入しても、以下のようなリスクが生じます。

  • 社内体制の崩壊: 助成金要件を満たすためだけに導入した制度が、既存の従業員に不満を与え、離職に繋がる。
  • 不支給時の財務ダメージ: 助成金は「確実にもらえる保証」はありません。不支給になった際、制度導入や設備投資のコストだけが重くのしかかります。
  • 不正受給のリスク: 要件を無理に合わせようとするあまり、書類の虚偽記載(不正受給)に手を染めてしまう企業が絶えません。

「助成金があるからやる」のではなく、「会社を良くするためにやる」という主客の逆転を防ぐことが極めて重要です。

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正しい順序は「人材計画」から「助成金」へ

助成金を賢く受給し、かつ企業の成長に繋げている成功企業は、必ず「①自社の人材計画(経営戦略)の策定 → ②それに合致する助成金の選定・活用」

という正しい順序を踏んでいます。

まずは、自社が5年後、10年後にどうありたいか、そのために「どのような人材を採用し、どう育成し、どんな評価・処遇制度を整えるべきか」

という人事コンサルティングの核となる「人材計画」を組み立てます。その計画を進めるプロセスにおいて、国が用意している支援策(助成金)をパズルのピースのように当てはめていくのが本来の姿です。

【厚生労働省が示す雇用関係助成金の理念】

雇用関係助成金は、労働者の雇用の安定、雇用の機会の増大、労働者の能力の開発・向上等を図るため、事業主の皆さまが支払う労働保険料の一部を財源として支給されるものです。

(引用元:厚生労働省「雇用・労働分野の助成金のご案内」)

経営の基盤となる「出・賃・就・契」を整え、筋の通った「人材計画」を実行する。

この2つが揃って初めて、助成金は企業の成長を加速させる強力な原動力となります。当事務所では、社労士の専門知識を活かし、この仕組みづくりをトータルでサポートしています。

石井 隆介のセミナー実績

私は、年間50回以上のセミナー・研修登壇(掲載媒体数 5誌以上受講者数 300名超)を通じて、「信頼される管理職を育てたい」と願う多くの経営者・管理職の皆様を支援してきました。


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